任意売却を相談する勇気

任意売却に関する交渉をはじめるタイミングですが、金融機関などによって多少の違いはありますが、まず前提として住宅ローンの滞納が続いていることが条件となります。

多くは滞納が3~6ヶ月続いた場合となります。

期限の利益の喪失月には、債権者である金融機関から保証会社に対して代位弁済請求が行われ、その翌月に保証会社から金融機関に対して代位弁済が行われます。

すると、債権が保証会社に譲渡され、その時点から、任意売却に関する本格的な交渉がはじまります。

しかし実際は、任意売却を検討するのはもう少し前の方が望ましいといえます。

住宅ローン滞納が続き、リスケジューリングなどを行っても今後の支払い難しいと判断された時点で相談すべきなのです。

専門の不動産業者などに電話やメールなどで相談することから任意売却がはじまるのです。

例えば、競売で1000万円でしか売れない家が、任意売却なら2000万円で売れることもあります。

残債は競売なら2000万円、任意売却なら1000万円となり、その差は歴然です。

しかも、競売の場合は残債の取り立ては強硬なものになりますが、任意売却なら債権者との話し合いによっては1000万円の残債を月々1万円ずつの返済にしてもらうことにもなり得ます。

さらに、保証会社やサービサーが「ある程度回収できた」と判断し、残りの債務が債権放棄による和解でゼロになる可能性もあるのです。

住宅ローン破綻から競売という事態に直面すると、人生の終わりかのように感じてしまいます。

たとえ家を手放すことになっても、競売という最悪の結果を回避し、悪夢のような人生をリセットすることができます。

相談する勇気さえあれば、その後の人生が180度変わる可能性があるのです。

広島の任意売却無料相談センター|住宅ローン滞納・競売回避
http://www.fudousan-sell.com/

任意売却とは

任意売却とは、住宅ローン滞納によって所有不動産の競売が決まった物件(または競売にかかりそうな物件)について、債務者側が専門の不動産業者などを通して買い取り相手を見つけ、債権者の合意を得たうえで債務者の意志で売却し、競売を取り下げてもらうという方法のことです。

つまり、家を競売で処理される前に、債権者に頼んで一般販売させてもらうということです。

任意売却は、あくまで債権者の生活再建を優先し、すべて話し合いによって円満に解決するという方法です。

債務者にとって、競売は「家をとられること」で、これに対して任意売却は「自ら家を売ること」になります。

任意売却は、競売への唯一の対抗手段です。

競売になってしまうと、所有者の意志には関係なく強制的に自宅が売却されてしまいますが、任意売却は所有者が任意で売買することができます。

任意売却では債権者の同意が必要だということが、通常の不動産売買との違いです。

任意売却では、売り主と買い主、そして債権者(金融機関や保証会社、サービサーなど)の間に不動産業者が入って仲介と調整が行われます。

税金(固定資産税、住民税)や、分譲マンションの管理費や積立金の滞納があれば、各役所や管理組合との交渉も業者が代行してくれます。

任意売却では所有不動産をほぼ市場価格で売却できるので、競売に比べて高額となり、残債務が減り、その後の生活再建がスムーズに行えるのです。

どちらにしても家を手放さなくてはならないのですから、少しでも高く売れるに越したことはないのです。

任意売却は債権者側にとっても大きなメリットがあります。

それは、競売よりも高額で売却できるので、多くのお金を回収できる可能性があることです。

成立の条件

任意売却というのは制度ではなく、あくまでも債務者と債権者などの合意の上で成り立つイレギュラーな債務整理法なのです。

そして、任意売却を成立させるためには一定の条件を満たさなくてはいけません。

まず、「住宅ローンの滞納」つまり、金融機関や保証会社のブラックリストに記載されることが絶対条件となります。

なぜなら、債権者にしてみれば住宅ローンを払い続けてもらう方が得だからです。

もう一つの絶対条件は、「期限の利益の喪失」になります。

月々のローンが払えない、残債の一括返済も当然できないという状況でなければ、債権者にとって任意売却に応じることにメリットがありません。

債務者が債務不履行によって「期限の利益」を失うことが任意売却の条件となります。

債権者と、抵当権や差し押さえの解除の合意をして、不動産の市場価値を回復(買い主が不利益を被ることがない状態に)することを前提にしなければ、任意売却はできません。

夫婦などの共有名義で不動産を所有している場合、共有者の同意が得られなければ任意売却はできないし、連帯債務者や連帯保証人などの同意を得る必要があります。

売却時に司法書士による意思確認が行われ、関係者の同意が明確でなければ所有権移転の登記申請ができません。

そしてもう一つ、債権者との人間関係が良い状態であることも大切です。

債権者からの連絡などに誠実に対応していなければ、信頼を失い競売の手続きを進められてしまいます。

任意売却には債権者の協力が不可欠で、話し合いに応じてもらえなければ成立しないのです。

固定資産税などの税金や、マンションの管理費・積立金などの滞納額があまりに多い場合、債権者が任意売却に応じないこともあります。

期限と費用

ローンが支払えなくなったらできるだけ早い時点で任意売却を検討すべきです。

事前に相談する時期は早ければ早いほど成功する確率も高くなります。

逆に、残された期間が短いほど買い手を見つけるのも困難になり、時間切れとなって競売の取り下げができなくなります。

裁判所から「競売開始決定通知」がまだ届いていない場合でも、そのままローン滞納を続けると、いずれは競売になります。

原則的に、開札前日までは競売取り下げが可能ですが、入札1ヶ月前くらいになると現実的には通常の方法では任意売却を成立させることはかなり難しいといえます。

わずか1ヶ月で物件の買い主を探し、債権者と協議して承諾を取り付け、実際に売却代金から返済し、競売を取り下げるには時間的に足りません。

物件を売却せずに債権者に対して競売の取り下げを依頼するには、少なくとも不動産評価相当額の現金を用意し、さらに追加の保証人も用意しなくてはいけません。

ローンが破綻しているので、現実的にこれは不可能といえます。

しかし、一つだけ方法があります。

それは、不動産業者や親族・知人などの協力者に物件を一度買い取ってもらうということ。

状況次第ではその後に買い戻すことができる場合もあります。

任意売却が成立すれば、売却した代金から経費などが差し引かれて支払われるので、売り主が持ち出しで負担する費用はありません。

制約できなかった場合は手数料も発生せず、費用や実費が請求されることもありません。

ローン残高より低い価格で売却されたとしても、債権者の合意の範囲で引っ越しなどの名目で現金を受け取れる場合もあるのです。

転居費用あるいは新生活への準備金を売却代金から捻出し、現金を受け取れる可能性があります。

不動産調査

任意売却の相談を受けると、専門の不動産業者はまず所有不動産を調査して、相場価格の査定をします。

価格査定とは、自宅の近隣の売り出し事例や取引事例、公示価格や路線価などを参考にして、その土地や建物がいくらくらいで売れるのかを推測することをいいます。

この査定という作業は、任意売却を行ううえでとても重要になります。

限られた時間内に、最大限高く売れる金額を債権者に提示することが、任意売却を成功させるカギになるからです。

物件を実際に見て、地域の相場などのデータを勘案して価格査定が行われます。

このとき注意しなくてはいけないのが、机上で行う査定額では本来の価格よりも高い金額が提示されてしまう傾向にあることです。

実際よりも高い金額で査定してしまうと、現実的にその金額で売れなくなるという問題が起きます。

任意売却は時間との勝負ですから、できるだけ早く売るということが必須となります。

任意売却の場合、抵当権を抹消するための金額を決めるのは債権者になります。

債権者が売却金額に納得がいかなければ担保権を外してもらえないので、任意売却が成立しません。

債権者が納得する価格で売買することが絶対条件です。

任意売却の場合、必要以上に高めの査定をするべきではないのです。

室内が汚れている、リフォームが必要、近隣環境が良くないなどのマイナス要因があれば、それらを反映した査定でないと、結局競売になってしまうという不利益な結果になってしまいます。

つまり、「これなら確実に売れる」という金額で債権者の了解を得る必要があります。

任意売却を成功に導くためのポイントは、債権者が納得し、かつ確実に売れる価格をつけることができるかどうかということです。