任意売却の相談を受けると、専門の不動産業者はまず所有不動産を調査して、相場価格の査定をします。
価格査定とは、自宅の近隣の売り出し事例や取引事例、公示価格や路線価などを参考にして、その土地や建物がいくらくらいで売れるのかを推測することをいいます。
この査定という作業は、任意売却を行ううえでとても重要になります。
限られた時間内に、最大限高く売れる金額を債権者に提示することが、任意売却を成功させるカギになるからです。
物件を実際に見て、地域の相場などのデータを勘案して価格査定が行われます。
このとき注意しなくてはいけないのが、机上で行う査定額では本来の価格よりも高い金額が提示されてしまう傾向にあることです。
実際よりも高い金額で査定してしまうと、現実的にその金額で売れなくなるという問題が起きます。
任意売却は時間との勝負ですから、できるだけ早く売るということが必須となります。
任意売却の場合、抵当権を抹消するための金額を決めるのは債権者になります。
債権者が売却金額に納得がいかなければ担保権を外してもらえないので、任意売却が成立しません。
債権者が納得する価格で売買することが絶対条件です。
任意売却の場合、必要以上に高めの査定をするべきではないのです。
室内が汚れている、リフォームが必要、近隣環境が良くないなどのマイナス要因があれば、それらを反映した査定でないと、結局競売になってしまうという不利益な結果になってしまいます。
つまり、「これなら確実に売れる」という金額で債権者の了解を得る必要があります。
任意売却を成功に導くためのポイントは、債権者が納得し、かつ確実に売れる価格をつけることができるかどうかということです。